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テクノ・プロ・ジャパン@IJET 29 Osakaのプレゼンがすばらしかった

 6月29日から7月1日まで3日間にわたって開催されたIJET 29 Osaka に参加しました。IJETは23(広島)、25(東京)に次いで3回目の参加です。今回は自宅から通える初めてのIJETでした。基調講演を含めて、9つのプレゼンやセッションにフルで出席しました。すべてのプレゼンやセッションについて感想を書くことは時間的に難しいので、今回最も印象に残ったプレゼンひとつについてだけ、記憶が薄れないうちに書いておきたいと思います。

 今回、個人的に最も印象に残ったプレゼンとは、テクノ・プロ・ジャパンのメンバー3名(梅田 智弘氏、加藤 泰氏、上田 毅木氏の3名)による「人生100年時代のサバイバル - 翻訳会社メンバーによる3つの事例」と題するプレゼンでした。3名のうち、2名がプライベートで何度も飲んだことがある人たちで、このプレゼンは絶対に聴講すると決めていました。

テクノ・プロ・ジャパンのプレゼン

 プレゼンのトップバッターは、副社長の加藤 泰さん。飲食業界から翻訳業界に転身されたという異色の経歴の持ち主でした。翻訳以外に収入手段を得るというテーマで、民泊の可能性についてのプレゼンでした。おおざっぱにかいつまんで言うと、翻訳業界が今後どうなるかわからないので、人生100年時代に備えて翻訳以外にも収入を得る手段を確保しておこうというような内容だったと思います。

 最近、加齢と共に体力の衰えを感じており、若いときのように1日7時間も8時間もPCの前に座って、翻訳を続けるのはちょっときついなと感じています。生涯翻訳という仕事を続けていきたいとは思っているのですが、翻訳という仕事は、プロの棋士と同じで(プロ棋士になったことはないので本当のところはわからないのですが)、とても体力を要する仕事だと思い始めています。そういう意味で、今後翻訳100%ではなく、ほかに収入を得る手段も模索しておいたほうがいいのかもということを考えさせられるプレゼンでした。

 2番手のプレゼンターは社長の梅田 智弘さんでした。まず、フリーランス翻訳者から翻訳会社の社長になった経緯についての話がありました。そして、次は介護と仕事(社長業)との両立についての話でした。梅田社長とはツイッター上で日頃からよく会話しており、介護で日々大変な思いをしているのは何となく知っていたのですが、実情を詳しく聞いてびっくりしました。普段の機知に富んだツイートからは想像できないような苦労の数々を聞いているうちに何だか泣きそうになってしまいました。いろんな工夫をしたり、会社の仲間のサポートに助けられたりしながら、無理をせずに介護と仕事両立させているとのこと。本当に立派です。ちょっと尊敬しました(本当は以前から尊敬してます)。

 最後の発表者は、関西一話上手だという評判が高い上田 毅木さん。フリーランス翻訳者からテクノ・プロ・ジャパンの社員として社内翻訳者へと転身した事例についてのプレゼンでした。まず、フリーランス翻訳者から社内翻訳者に転身した経緯について話がありました。社内翻訳者になって初めてわかったこと、社内翻訳者として働くことのメリットとデメリット、フリーランス翻訳者としてのメリットとデメリットなどについて、ユーモアたっぷりに語ってくださいました。フリーランス翻訳者が単価を上げるためにできることやフィードバックにについての考え方など、社内翻訳者という立場でフリーランスにアドバイスできることなど、有益な情報が満載のプレゼンでした。

 最近の自分のテーマはがんばりすぎないこと。いかに効率を上げるか、いかにがんばるかというテーマのプレゼンが多い中、テクノ・プロ・ジャパンのプレゼンは「無理しすぎはよくないよ」と言ってくれてるような(違ってたらごめんなさい)内容で、今の自分にびびっと来る内容でした。1時間のプレゼンが終わった時には、あらん限りの拍手を送っている自分がいました。すばらしいプレゼンをありがとうございました。


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